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昨年の3月、札沼線が2020年5月6日を以て北海道医療大学-新十津川が廃線となる前に、と乗りつぶしに向かいました。その後、最終運行は前倒しされ、4月17日で運行は終了してしまいました。
北海道内の鉄路は北斗・カムイ/ライラック・エアポート・とかちルートを除けば、殆どが北海道旅客鉄道株式会社単独での維持が困難な路線として指定されてしまい、いつ乗ることができなくなっても不思議ではない状態です。
前回北海道から帰ってきて早々から、なるべく早めに乗り潰しておきたいと思いつつも、就職に伴い、かつてのように大きな時間を取れなくなってしまったことや、長距離の移動が制限される環境から、悶々としたまま1年以上が過ぎていました。

そして、この冬ようやく環境が改善され、北海道に向かうだけの時間を得ることができたことから道内路線を大移動する旅行をすることにしました。
この時期は、風雪によるダイヤ乱れで旅程崩壊のリスクはありましたが、北海道旅客鉄道株式会社の状況を天秤にかけ、冬の大地へ飛び込むことにしました。

北海道内の大移動には、北海道東日本パスとオプション券が安価かつ便利ではありますが、まだ北海道東日本パスの冬期間に入っていないことや(2021年は12月10日から)、特急に乗る日数が多いとオプション券が積み重なってしまうことから、期間内特急列車に乗り放題の北海道フリーパスを使用することにしました。HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスという、1日短縮で半額以下になるものもありましたが、前日までに北海道内のみどりの窓口や指定席券売機での購入が必要であったため、今回は使用できませんでした。

2021年12月1日

まずは、北海道へ向かいます。就職に伴い、秋田市から県北へ転居したため、県北基幹駅の東能代駅からのスタートです。前回と同じ普通列車で新青森へと奥羽本線を北上します。
今回は、とにかく路線を多く乗るために、初日は投宿可能な網走へ向かいました。

前回と同じ列車ですが、出発時刻が東能代駅スタートとなった分若干遅めのスタートです。
4:00起床でまだ日も昇っていない中を東能代駅へ行き、奥羽本線下り始発、6:27東能代発の列車で弘前へ向かいます。
弘前では前回よりも対面乗り換えの時間は短縮されていてたったの3分。それならそのまま1本の列車にしてしまえばと思いつつ向かいの列車へ乗り継ぎ。

新青森からは、新幹線eチケットをわざわざ発券(ポイント付与率は下がる)して軟券のきっぷを意地でも使用。20分ほどではやぶさ95号へ乗り継いで一路北海道へ。
あいかわらずまばらな乗客。平日の早朝以外の理由も今回はありそう。

新函館北斗駅では、「スーパー」の外れた北斗7号の指定券を北海道フリーパスを使って指定席券売機で発券。
開業5周年記念で、北海道新幹線所属各駅への常備券の乗車券を発売していたので、窓口で即購入。前回は「北の40 記念入場券」をあちこちの駅で発売していましたが、今度は「北の大地の入場券」が発売中。これも購入。

今回はひたすら移動でゆっくり食事を取れる時間がないので、駅弁を購入してキハ281系「北斗」7号に乗車。前面展望は見られないことが前回分かったので、おとなしくカニちらしの駅弁を食べながら札幌へ。
キハ281のエンジン音と快走を楽しみながら、3時間半ほどで到着。ここで札幌のフォロワーさんにお土産をまたも押しつけ、夕食となる駅弁を調達。
ライラックは30分に1本出ているので、789系「ライラック」23号の自由席で旭川へ。

しかし、ここで問題発生。この日の北海道は、急速に発達した低気圧の影響で道東を中心に大荒れで、石勝線・根室本線・釧網本線はこの影響で多数の運休と大幅な遅れが続出。
その影響を受け、15時付の発表で、翌日朝の釧網本線は釧路方面行は10時頃まで運休に。ライラック23号に乗った瞬間に翌日の予定が完全に狂ってしまいました。
翌日は、釧網本線の始発で釧路に向かい、根室本線で根室、そして北海道東端を踏破し、釧路からおおぞら12号で札幌へ戻る予定でした。しかし、これで根室・北海道最東端を訪問して札幌に戻るスケジュールは不可能に。

散々ライラックの車内で悩んだものの、石北本線はどうにか影響を受けていなかったようなので、最悪翌日旭川・札幌にとんぼ返りすることも覚悟で予定通り網走へ向かうことに。

旭川に到着すると、今度は新駅舎10周年記念の入場券を発売していたため、「北の大地の入場券」とともに購入。
再びホームへ戻ると、痛ましい姿のキハ183系が出発を待っていました。キハ183系「大雪」3号に乗り網走へ。

(塗装はボロボロ)

北見峠を縫って網走に到着すると、やはり翌日の釧網本線の始発は運休決定のまま。不安なまま宿へ向かい1日目を終了。

2021年12月2日

とりあえず、旭川・札幌に戻るにせよ、釧網本線の運転再開を待つにせよ、根室・納沙布岬の訪問はできないことには変わりなく、網走を急いで出発する必要はないようなので、ゆっくり網走川沿いにをオホーツク海側へ散歩してから網走駅へ。

(オホーツク海の水平線)

網走駅に戻ると、10:37発の快速しれとこ摩周号が出発待ち中。釧路から帯広方面の運行情報も問題なし。当初の予定からは遅くなったものの、釧網本線で釧路へ向かうことにしました。
快速しれとこ摩周号は、キハ54での運用。前回、留萌本線で肩すかしを喰らったキハ54にやっと乗車。

(キハ54)

オホーツク海の海岸線に沿って走っていると、斜里町からは南に方向を変えて釧路湿原へと突入。青空の下広がる一面の湿原を眺めていると、だんだんと街並みに変わっていき、釧路到着。

(釧路湿原)

東釧路で根室本線の列車と交換待ちをしたため、数分遅れたものの、大幅な乱れはない様子。キハ261系1000番台「おおぞら」8号を見送り。
根室本線の根室方に乗ることができなくなってしまったので、釧路に滞在する理由はほぼないのですが、これに乗ると釧路駅の入場券が手に入らないので、次のおおぞら10号を待つことに。

釧路駅で「北の大地の入場券」を入手しようとしたところ、今度は「花咲線 100周年記念乗車券」が。100kmオーバーの乗車券扱いながらも、これも購入。
釧路駅の外に出ると、吹き飛ばされそうな強風。よくこの風の中、おおぞら8号は出発していったなあと思いながら、追い風・向かい風に揺さぶられつつ風景印集めに釧路中央局へ。
釧路中央局で風景印押印を依頼すると、なんと、釧網本線の開業90周年記念で、沿線郵便局で小型印押印期間中。網走で気づかなかった・・・
とりあえず小型印を押印してもらい、次に釧路駅前局に寄り、この局分も入手。

釧路駅に戻り、大量のイクラが乗った駅弁をのんびり食べていると、アナウンスが。
「お客様に列車の運休をお知らせします...」ああ、風が強いもんなあ、釧網本線また止まったか。
「釧路駅16時12分発札幌行特急おおぞら10号は石勝線内強風のため、運休が決定しております...」...?

えっ???
さっきおおぞら8号出て行ったばっかりなのに???

札幌14時15分発の釧路行おおぞら7号と、乗車予定の釧路16時12分発の札幌行きおおぞら10号が、石勝線トマム-新得間の強風の影響と、根室本線芽室-新得間の倒木の影響で運休となってしまいました。
...翌日は宗谷本線を乗るため、どうしても札幌に戻らなければなりません。
おおぞら8号は帯広駅で抑止中。次発おおぞら12号は運休の予定はないもののどうなるかはまだ分からず...
一方で、運休となったおおぞら7号に続いて石勝線を通る、札幌発帯広行のとかち5号は定刻通りの運転。これを考慮すればおおぞら12号も動くはず...

重大な決断を迫られます。
とかち5号が動いていることを考慮して18時59分発のおおぞら12号を待つか、それとも、確実に札幌に戻ることを第一にして、根室本線・石勝線を捨てて17時45分発の高速バスに乗るか。

...悩みに悩んだ挙句、日高山脈の真ん中で抑止打切となってしまっては元も子もないため、バスで札幌に向かうこととしました。

(釧路特急ニュースター号)

阿寒ICから道東自動車道で走り抜けて、悔しさに打ちひしがれながら23時前に札幌到着。
一方のおおぞら12号は、定刻に釧路を出発し、風の影響は受けずに運行していたものの、途中でシカに接触し約30分の遅れで札幌駅到着。

気づいてみると、この日乗ったのは釧網本線と根室本線の1駅間のみ。這々の体で札幌に投宿し、2日目を終了。

2021年12月3日

バスで傷ついたココロと身体をたたき起こしながら、7:00に札幌駅へ。
朝食を調達して、7:30発のキハ261系0番台「宗谷」に乗車。北斗に似た顔。
この2日間、普段食べないような海鮮の駅弁を食べ過ぎたせいか、お腹が本調子でなく、ごはんをゆっくり食べながら、ウトウトしつつ旭川へ。
永山で一旦運転停車。宗谷本線はここから南稚内まで、電子符号照査式の特殊自動閉塞のため、一旦運転停車が必要になります。

(永山駅2番線ホーム上 「電子閉そく開始」の標識)

旭川から名寄までは、北海道高速鉄道開発が改良を行っているため、車体傾斜装置を使用していなくても120km/hで駆け抜けていきます。
あっという間に名寄に着いてしまいましたが、そこから先はゆっくりと天塩川沿いを縫うように通っていきます。
途中、雄信内付近で、エゾシカとランデブー。エゾシカが線路脇を宗谷と併走していましたが、徐行と警笛を繰り返している内に、藪の中へ消えていきました。

天塩川が日本海に注ぐと、宗谷本線は何度も曲がりくねりながら海沿いへ。
この日はあいにくのみぞれ模様。利尻島と礼文島が車窓からおぼろげに見えてきたところで稚内に到着。ついに最北端の鉄路を走破。

(日本最北端の車止め)

乗ってきた宗谷は、サロベツ4号として、そそくさと旭川に戻っていってしまいます。次に稚内を発車する列車は、5時間後の札幌行きの宗谷。かなりの時間が開きます。
そのため、この時間を使ってさらに北を目指します。
ここから旧・天北線の一部を代替する、中頓別行きの宗谷バスに乗車。

50分ほど揺られて、本土四島最北端の宗谷岬に到着。

(「日本最北端の地」の石碑)

これ以上ない北のはずれのこの場所は、恐ろしいことに、45分後のバスが稚内へ戻る最終便。
記念撮影をしていると、あっという間に時間は過ぎ、復路のバスに飛び乗って稚内へととんぼ返りしました。

稚内駅に戻ると、もう日はほとんど沈んでいて、外は暗くなり始めていました。まだ16時にもなっていないのに、夕暮れをとっくに過ぎたかのよう。
稚内と秋田では緯度が5度ほど北にあることから、12月上旬では日の入りは25分も違います。
濡れ雪も強くなり、おとなしく稚内駅の中で帰りの宗谷を待機。

帰りの宗谷はサロベツ1号の折り返しの扱いとなります。ここで本当は、できたてほやほやのキハ261系5000番台「はまなす編成」が来る筈でしたが、11月末に故障したため、通常のキハ261系0番台での運用。残念。
このサロベツ1号が、途中でエゾシカと接触したため10分強ほど遅れて到着。改札もそこそこに、稚内を4分ほど延発していきました。

すっかり日の沈んだ北の大地の中を走る宗谷に揺られていると、まもなく美深というところ、恩根内を過ぎたあたりで急制動し停車。
「二度あることは三度ある」という諺があります。この諺は宗谷本線にとっても例外ではないようで、またもエゾシカに衝突。
車掌が車両点検をしてゆっくり出発。美深で再度車両点検をして13分延発し、士別や名寄で交換相手の列車を待たせつつ、函館本線に入り札幌に約10分の延着。
稚内で駅弁を手に入れ損ねたため、適当な食事を済ませて、3日目を終了。

2021年12月4日

この日が最終日。翌日も休みではありますが、秋田で別の用事があるため、早々に戻らなければならず、ただ札幌から帰路につくだけの日。
函館本線も既に完乗してしまっている上、冬の北海道でヘタに動いて、足止めを喰らったらそこでジ・エンド。おとなしく札幌を少し散歩するくらいにして、帰路につくことにしました。

7:00頃に起床すると、外は晴れ。昨日・一昨日の稚内やトマム峠がこんなよい天気だったらなあと、すこし悔しがる。
一方で釧網本線は、昨日落雷があったらしく、設備故障で昼過ぎまで運休。一昨日旭川に引き返さずに釧路まで冒険して正解だったかもしれない。

大通近辺を散歩し、テレビ塔へ。テレビ塔に上りもせず、その脇の旧・北海道拓殖銀行本店(現在は北洋大通ビルに建て替え)の記念撮影をしたり、時計台の鐘を聞いたりしながら札幌駅へ帰投。
もう北海道新幹線札幌延伸の準備が進んでいて、まだ北斗が走っている内にもう一度、石勝線・根室本線にリベンジするために来なければと思いを馳せる。

(在来線11番線ホームの増設工事が進む札幌駅北口)

お土産を調達して、前述のフォロワーに見送られてキハ261系1000番台の「北斗」10号へ乗車。ライラックは自由席、おおぞら10号は指定券を発券したまま運休になったため、これで北海道フリーパスの指定券発行回数を使い切り。
支笏洞爺の山頂には雪が厚く積もってはいたものの、線路沿いには殆ど雪は積もっておらず、12月とはいえ、上旬ではこんなものかとおもいながらどんどんと南下。
南千歳で遅れていたおおぞら2号との連絡を待ったため5分遅れで新函館北斗へ到着。

新函館北斗ですこし待って、はやぶさ34号に乗車。3日前に来たときとは違って、E5での運用。木古内・奥津軽いまべつに止まりながら新青森へ。
ここまではすべて終点まで乗っていればよい乗車ばかりでしたが、ここから先は寝過ごしの危機との戦い。
青函トンネルを抜けて本州に上陸すると、そこは一面の雪景色。どっちが北国かわからない。

(津軽"半島"冬景色)

新中小国信号場(大平)を過ぎたあたりからデッキに移って下車待ち。
新青森では10分ほどで奥羽本線上りのE751系「つがる」に乗車、すっかり暗くなってもわかる日常の景色に、さみしさを覚えながら、東能代駅到着。

冬の北海道の鉄路の厳しさの片鱗を味わうことのできた旅行でした。そして、今回はこれまでの旅行で、初めて、計画した路線(根室本線・石勝線)の乗りこぼしが発生してしまいました。
ところで、2015冬、2020春に続いて3回目の北海道にして札幌はまたしても通過。マトモな札幌観光はいつになるやら。

今回の新規乗車路線

宗谷本線:旭川-稚内
石北本線:新旭川-網走
釧網本線:東釧路-網走
根室本線:釧路-東釧路

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